畑のカルシウムとは、りん酸液を生産する際に副産される石膏(りん酸石膏)を使用し、水に溶けやすい硫酸カルシウムを主な成分とした粒状肥料です。
●はたらき
・塩基性の石灰質資材に比べ、カルシウムの形態が水に対して溶解性が中庸であり、崩壊性に優れ、下層土への移行性も高いことから、下層への根の伸長を促進します。
・通常の石灰質資材と異なり、土壌pHを上昇させずに、カルシウム分を補給できます。
・このため、高塩基や乾燥などの各種ストレス土壌において、土壌溶液中のカルシウムはカルシウム欠乏対策に効果が高いことも優れた点です。
馬鈴薯では収量アップ、トマトではしり腐れ改善など、実績が増えています。
●特 長
・炭酸カルシウム(炭カル)の100倍以上もの溶解度があり、土壌溶液によく溶けま
す。
・カルシウムの吸収により細胞膜が強化されます。
・硫黄も同時に補給しますので作物の生理作用を活発にします。
・粒状のため散布しやすく機械対応もできることから、施肥の省力化が期待できます。
・弱酸性なので、土壌のpHを大きく変化させません。
成分分析例(%)
全カルシウムCaO 水溶性 | 硫黄 S |
水分 | pH | |
---|---|---|---|---|
畑のカルシウム | 28.5 26.3 | 17.0 | 0.6 | 5.1 |
施用法
土づくり時または基肥時に全層施肥またはうね内施肥とし、土壌とよく混和してください。
※追肥時に使用する場合は側条施肥とし、灌水を併用すると効果的です。
施用量
基肥としての推奨する基準施肥料は100kg(5袋)/10aですが、土壌の種類・栽培作物・土壌診断結果などにより適宜加減してください。(うね内施肥は60kg(3袋)/10aを推奨)
なお、土壌pHを上げる効果はありませんので、pHが低い場合は苦土石灰などと併用してください。
畑のカルシウムを施用した場合
レタスの根張写真
コマツナの根張写真